阿佐ヶ谷駅

僕が高校生の頃、夢中で聴いていた友部正人さんの2枚目のアルバム「にんじん」(1973年発売)に入っている「一本道」という曲がある。
僕の中では、名曲中の名曲で、今でもこの曲の入った「にんじん」はよく聴いている。

その歌詞の中に、「僕は今阿佐ヶ谷の駅に立ち、電車を待っているところ」という一節がある。
僕は当時北九州市に住んでいて、東京の阿佐ヶ谷駅ってどんなところだろうと夢にまでみていた。
もちろん高校生の分際で、東京まで見に行くこともできないし、本や雑誌で見る写真や断片的な情報しかない。

写真は阿佐ヶ谷駅北口(※クリックで大きくなります)


当時僕が好きだったフォークシンガーが住んでいた街や、彼らの歌詞に出てくる場所は、吉祥寺だったり阿佐ヶ谷だったり井の頭公園だったりした。
中央線なのだ。
「あぁ、中央線よ空を飛んで、あの娘の胸に突き刺され」
というのも「一本道」の歌詞。いいでしょ?

とにかく僕は友部さんの歌詞に導かれるかのように、15年前に東京に来て、その数年後に阿佐ヶ谷に住むことになった。
上京してはじめて阿佐ヶ谷駅のホームに立ったときは、あの歌詞を思い出しながら、ものすごく感慨深いものがあったが、その時はじゃあ住もうかとはならなかった。
それから数年して、どうしても住まなくてはならなくなったので住みはじめたのだ。

人生って不思議だなって思います。



友部正人さんの「にんじん」愛聴盤です。
にんじん
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