博多人のソウルフード「牧のうどん」

牧のうどんを食べられなくなって、数年経つ。

出張等で博多に行くと、食べたくなるのはやっぱりラーメン。
それも特定のお店のもの。
それと、この牧のうどん。
これはいつも外せないなと思う。

東京でも「しばらく」や「赤のれん」や博多に本店のあるラーメンを食べることができるが、この牧のうどんだけは食べることができない。。
大昔にタレントのタモリさんが東京に博多うどんのお店を出したみたいだが、閉店してしまった。

博多うどんの特徴はというと、コシのないわりとふにゃふにゃの麺じゃないだろうかと思う。
特にこの牧のうどんは、デフォルトではまるでコシがない。
牧のうどんは、注文時に麺の堅さを、柔らかめ、普通、固めで選ぶことができる。
筆者はいつも固めで注文するのだが、食べているうちにだんだんやわらかくなってくる。
牧のうどんは、麺がスープを吸ってやわらかくなる度合いが他のうどんに比べると極端で、食べているうちに、麺がぐんぐんとスープを吸って太く柔らかくなってくる。

牧のうどんは、いくら食べても麺が減らないとよく言われるが、それほど簡単に麺がぶわぶわになり、丼の中は膨張した麺でいっぱいになり、それに比例してスープが少なくなってくる。
なので、牧のうどんは小さなヤカンでスープを補充することができる。
注文と同時におばちゃんが、熱いスープの入ったヤカンを一緒に持ってくる。
客は、そのスープを補充しながら膨張した麺を食べていくのだ。
素晴らしいシステムだと思う。
筆者の知る限り唯一無二、他にそんなうどん店はないと思う。
博多の中でも独特なのだ。
麺の好みはもちろんそれぞれで、筆者は固めの麺がだんだん柔らかくなっていくのが好きだが、同郷の知人は最初から柔麺で注文し、ブヨブヨになった麺をスープを補充しながら美味しそうに食べる。

で、今回知人が博多から牧のうどんを買って持ってきたので、数年ぶりに食べることができた。
これが牧のうどんお持ち帰りセット。


麺とスープとネギだ。
さっそく食べてみたが、当然だけどあの牧のうどんであった。
美味美味。
しかし、問題点がいくつかあって、

1.既に茹でてある麺なので、筆者の好きな固麺で食べることができない。
2.スープの補充ができない。
3.ゴボ天がない。
4.かしわご飯がない。

この3点なのだが、これは子供がだだを捏ねている状態だと思うが、仕方がない。
1.2.はもちろん仕方がない。
お店ではない上に、これは知人からのプレゼントである。
文句をいうわけにはいかない。
3.のゴボ天だが、これはゴボウの天ぷらのことで、博多では通常うどんのトッピングには、このゴボ天か丸天が好まれる。東京ではこのふたつはほとんど見たことがない。
丸天とは、薩摩揚げに類似する、魚のすり身を円形にして油で揚げた練り物(揚げ蒲鉾)のことである。

筆者はこの牧のうどんで、必ずゴボ天うどんを注文する。他のうどんは注文したことがない。それとうどんと共にかしわご飯を注文する。
これで完璧。
東京でも仕事の帰りにこんな食事をして帰りたいと思う。

牧のうどんも今の時代、通販を開始すればいいのにと思うがいまだに通販で購入することができない。
福岡で焼き肉屋を展開するウエストが、千葉とか町田とかでうどん店をやっているのは知っている。これも安くて美味しい博多うどんだ。
ただ、筆者は特に「牧のうどん」を食べたいのだ。

牧のうどんは、博多の中心部には店舗がなくて(以前キャナルシティ博多大丸にあった)、わりと郊外に店舗が点在している。
なので車がないとなかなか行くことができない。
今度博多出張があったときは、早めに行って牧のうどんの空港店に行こうと思う。
空港からはかなり距離があるらしいが、なんとかタクシーで行って、ゴボ天うどんとかしわご飯を食べようと思っている今日この頃。