中国で「カリフォルニア・ダウン」を観た。

未だに日本で公開されていない地震パニック映画「カリフォルニア・ダウン」を中国大連の映画館で観た。
映画館は、大連の大きなショッピングセンターの中にあり、IMAXではなく普通のスクリーンで3D上映。

当たり前のことではあるけど、映画が始まると、登場人物全員が中国語で会話しているのが不思議な気がした。
日本でも最近は吹き替え上映っていうのがあるので、不思議ではないかもしれないけど普段から吹き替えというのは全く観ることはないので、というのはあるかも。
ただ映画の中でよく見る白人達が全員中国語というのは、やっぱり違和感がある。

僕は中国語は英語よりもわからないので、登場人物達の会話は全くわからない。
なのでどうしてカリフォルニア全域であんなに壊滅的な地震が起こったのか、劇中では説明があったようだけど、理解出来ずスクリーンで起こっていることだけを会話の内容を想像しながら観るしかなかった。

地震といっても現実から想像できるような大きな地震ではなく、高層ビルが次々に倒れていくようなとんでもないような地震が次々と起こっていく。
そして当然のことだけど、ものすごい津波も街を襲う。

あの筋肉の塊のようなドウェイン・ジョンソンがレスキュー隊の隊員を演じており、人々を救う、と思っていたのだけど何故か物語の後半は人々ではなく自分の家族のみを救う物語になる。
このあたりも何らかの説明が映画中にあったのかもしれないけど、とにかくレスキュー隊のヘリコプターはともかく、車やボートを完全に窃盗!により自由に使って家族のみを救いに行く物語という、観ててなんだこれ?いいの?という感想を持ってしまった。

そのあたりはともかくこの映画、津波のシーンが圧巻で、観ていてこの映画は日本での上映は無理だろうなと思った。
東日本大震災の時は東京にいてテレビで見ただけなんだけど、あの津波の映像を何度も見て、多分僕の人生観は大きく変わったと思う。
あの時津波の映像を見た人の多くが、なんらかの形であの津波がトラウマになっているのではないかと思う。

東日本大震災当時「ヒア・アフター」が上映中止になったけど、あの映画の比ではない。
実際に現地にいてあの地震津波を経験した人はこの映画は観ない方がいいと思う。
言葉通りほんとうに衝撃を受けるのではないかと思う。

とはいえ、世間からの抗議を気にして、映画という表現形式の芸術作品を自主規制するのもどうかと思う。
これが前例になり次々とこういったパニック映画を観ることができなくなるのはそれこそ問題ではないか。

表現の自由というものがある。
映画の内容に関する注意を公開前に充分に流布させ、観たい人だけが観る、というような形で上映するべきかなと思う。
その上で世間に評価を問う、というところでしょうか。
難しいですね。
結論はないです。
映画を観ている間、ずっとそんなことを考えていました。



『カリフォルニア・タ?ウン』予告編2